コルソン合金とは、NiとSiの微細な金属間化合物を銅マトリックス中に析出させることでバランスのとれた強度と導電率を実現する合金です。三菱マテリアルのMAXシリーズは、独自の熱処理技術により、それら特性を要求される範囲にコントロールすることで幅広いラインナップをそろえました。
自動車用端子・コネクター、民生用端子・コネクターリレー, ICソケット, ブレーカー, ランプソケット, CPUソケット
MAX251はコルソン系の銅合金です。りん青銅代替材として開発された強度、導電率、加工性に優れた銅合金です。強度と加工性のバランスに優れておりMAXシリーズの中でも高い導電率を有しております。
MAX251は三菱マテリアルが開発したコルソン合金でNiを2%含有しています。そのため強度と導電率のバランスをハイレベルで実現しております。コネクターやリレーなどの各種電気部品の高密度化に有効です。中程度の強度と導電率が必要な材料をお探しの方には最適です。
小型端子、コネクター、リレー、ソケット類
MAX251の化学成分は以下の通りです。
(重量%)
Ni | Si | Sn | Zn | Cu |
---|---|---|---|---|
2 | 0.5 | 0.5 | 1 | 残 |
MAX251の物理的性質は以下の通りです。
特性 | 代表値 |
---|---|
比重 (293K) | 8.9 |
熱膨張係数 (×10-6/K:293~573K) | 17.1 |
熱伝導率 (W/(m・K):293K) |
194 |
体積抵抗率 (μΩm:293K) |
0.038 |
導電率 (%IACS:293K) | 46 |
縦弾性係数 (kN/mm2 : 293K) |
130 |
質別 | |||||
---|---|---|---|---|---|
1/2H | H | EH | SH | ESH | |
引張強さ (N/mm2) |
450~550 | 500~600 | 540~640 | 600~700 | 700以上 |
0.2%耐力 (N/mm2) |
390~520 | 440~580 | 480~630 | 540~690 | 650以上 |
伸び (%) |
8以上 | 6以上 | 4以上 | 2以上 | - |
ばね限界値 Kb0.1※1[kN/mm2] |
- | - | (400以上) | (440以上) | (470以上) |
ビッカース硬さ※2 (HV) |
(125~185) | (140~200) | (150~215) | (165~230) | (200以上) |
MAX251の残留応力率を示します。
MAX251はC5210(りん青銅)やC2600(黄銅条)に比べて、優れた耐応力緩和特性があることがわかります。
暴露温度:150℃
曲げ方向:曲げ軸が圧延方向に直角
曲げ応力:0.2%耐力の80%
MAX251の疲労特性を示します。
MAX251の疲労特性はばねや端子に要求されるレベルを満たしています。
MAX251Cは、製造工程中の特殊熱処理を利用することによりさらに特性は向上され、強度が向上しただけでなく、機械的特性の異方性を小さくし強度-曲げ加工性のバランスを最適化した高強度銅合金です。その加工性の良さから様々な用途に展開されています。
MAX251Cは独自の製造工程により従来品に比べ強度と曲げ加工性を向上させたコルソン合金です。MAX251をしのぐ強度と曲げ加工性のバランスにより部品の更なる小型化を実現させます。ベリリウム銅やチタン銅からの切り替えも可能です。
自動車用オス、メス端子用小型端子、LEDランプソケット、ヒューズ端子、小型スイッチ、民生用端子・コネクター
MAX251Cの化学成分は以下の通りです。
(重量%)
Ni | Si | Sn | Zn | Cu |
---|---|---|---|---|
2 | 0.5 | 0.5 | 1 | 残 |
MAX251Cの物理的性質は以下の通りです。
特性 | 代表値 |
---|---|
比重 (293K) | 8.9 |
熱膨張係数 (×10-6/K:293~573K) |
17.1 |
熱伝導率 (W/(m・K):293K) |
160 |
体積抵抗率 (μΩm:293K) |
0.047 |
導電率 (%IACS:293K) |
37 |
縦弾性係数 (kN/mm2: 293K) |
130 |
MAX251Cの機械的性質は以下の通りです。
質別 | 実績例 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
1/2H | H | EH | 1/2H | H | EH | |
引張強さ (N/mm2) |
540~640 | 600~700 | 640~740 | 626 | 675 | 717 |
0.2%耐力 (N/mm2) |
480~630 | 540~690 | 580~735 | 554 | 584 | 663 |
伸び (%) |
8 | 5 | 3 | 17.3 | 14.8 | 11.4 |
ばね限界値 Kb0.1※1[kN/mm2] |
- | - | - | (477) | (529) | (562) |
ビッカース硬さ※2 (HV) |
(150~215) | (165~230) | (180~240) | (187) | (199) | (211) |
導電率 [%IACS] |
33以上 | 40 | 38 | 38 |
MAX251Cの等時軟化特性を示します。
MAX251Cは高温下で使用される端子材として十分な耐熱性を有します。
MAX251Cの耐応力緩和特性を示します。
ベリリウム銅やばね用りん青銅以上の耐応力緩和特性を有していることがわかります。
暴露温度:150℃
曲げ方向:曲げ軸が圧延方向に直角
曲げ応力:0.2%耐力の80%
MAX251Cの曲げ加工性は以下の通りです。
高い強度を持ちながら、優れた曲げ加工性を併せ持ちます。このため部品の小型化・信頼性向上に貢献できます。
質別 | サンプリング方向 | 曲げ内側半径(mm)R | 評価R/t | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
(圧延方向に) | 0.0 | 0.1 | 0.125 | 0.15 | 0.2 | 0.25 | 0.4 | 0.6 | 0.8 | 1.0 | ||
1/2H | 0°:(Good Way) | △ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | 0.0 |
90°:(Bad Way) | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | 0.0 | |
H | 0°:(Good Way) | △ | △ | △ | △ | △ | △ | ○ | ◎ | ◎ | ◎ | 0.0 |
90°:(Bad Way) | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | 0.0 | |
EH | 0°:(Good Way) | ▲ | ▲ | ▲ | △ | △ | △ | △ | ○ | ○ | ○ | 0.6 |
90°:(Bad Way) | ▲ | ▲ | △ | ○ | ○ | ○ | ○ | ◎ | ◎ | ◎ | 0.5 |
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