PICめっきは、従来のリフロー錫めっき(従来めっき)に比べ、低い動摩擦係数と優れた電気的信頼性を有することから、次世代の車載端子用高性能めっきとして幅広い展開が期待されます。
銅および銅合金平条への先めっき、およびプレス加工された端子への後めっきが可能です。
※後めっきは特許ライセンス先であるめっき加工会社での対応となります。
先めっき
後めっき
PICめっきは、銅合金と錫めっき層の界面に生じる銅錫化合物の形状を精密に制御、かつ表面に一部露出させ、その隙間に純錫が存在する特徴的な複相組織を有しています。
従来めっきおよびPICめっきの断面イメージ図
白い部分がCu-Sn化合物
従来めっきおよびPICめっきの表面図
(Cu-Sn化合物の表面露出状態)
各種銅合金や黄銅にPICめっきを組み合わせることで、端子挿入時の摩擦抵抗を大幅に低減でき、車載端子・コネクタの更なる高機能化が可能になります。
ピン端子/ソケット端子のどちらか一方への採用でも効果を発揮します。ピン・ソケット双方に採用することで更なる効果が得られ、従来めっきとの比較で40%程度低減されます。
特に、接圧の低い小型端子で優れた低減効果を発揮します。
従来めっきおよびPICめっきの動摩擦係数