三菱マテリアル銅加工事業

三菱マテリアル銅加工事業

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PRODUCTS INFORMATION

製品情報

MOFC-HR高強度・高耐熱無酸素銅

規格番号
CDA
C10850

MOFC-HR(Heat Resistance)は世界最高水準の強度と耐熱性を有する無酸素銅で、過酷な環境条件で大電流、高放熱が求められるEVやデータセンター、AI、次世代エネルギーなどの電気機器の部材に最適です。
また導電率が低い銅合金の置き換えも可能です。

合金の位置付け

従来の無酸素銅(C1020)と同等の導電率・熱伝導率を有しながら、従来の無酸素銅より大幅に高い強度と優れた耐熱性・耐応力緩和特性・プレス加工性を有しております。
そのため、大電流・高放熱が求められる電子機器に最適な材料です。

主な特長

  1. 従来の無酸素銅(C1020)と同等の導電率・熱伝導率を有しています。
  2. 従来の無酸素銅に比べて、強度が大幅に高いEH・SH質別を提供できます。
    また、EH・SH質別はプレス加工性に優れ、従来の無酸素銅より高い寸法精度を実現できます。
  3. 耐熱性に優れ、従来の無酸素銅より高温環境下で使用できます。
  4. 耐応力緩和特性に優れ、通電部材用途として高い信頼性を有しています。
  5. 従来の無酸素銅と同等の導電率・熱伝導率を有し、強度や耐熱性が向上しているので、省材料化によるコスト削減や小型化・軽量化に貢献できます。
  6. 日本自動車技術会規格(JASO D 620)のクラスJC100(質別1/2H~SH)、JC300(SH)に適合しています。

主な用途

自動車用高圧端子、パワーモジュール部材、リレー部材、データセンター放熱部材、バスバーモジュール、リードフレーム、充電コネクタ、電池タブリード、ヒートシンク、ヒートスプレッダー、コールドプレート、ベイパーチャンバー

化学成分

MOFC-HRの化学成分は以下の通りです。

(重量%)

Cu
99.96%以上
※ 不可避不純物および微量添加元素を含む

物理的性質

MOFC-HRの物理的性質は以下の通りです。

特性 代表値
比重 8.94
熱膨張係数
×10-6/K(20~300℃)
17.7
熱伝導率
W/(m・K)(20℃)
391
体積抵抗率μΩm 0.017
導電率(%IACS) 101
縦弾性係数(kN/mm2 119
ポアソン比(293K) 0.31

機械的性質

MOFC-HRの機械的性質は以下の通りです。

  質別 実績例
1/2H H EH SH 1/2H
0.25mm厚
H
1.00mm厚
EH
1.2mm厚
SH
0.2mm厚
引張強さ
(N/mm2)
245~315 275~345 315~415 355~455 283 302 356 403
0.2耐力
(N/mm2)
- - - - 274 300 351 389
伸び
(%)
8以上 - - - 13 13 4 4
ビッカース硬さ
(HV)
(60~100) (85~125) (95~135) (105~145) 90 102 113 123

プレス加工性

従来の無酸素銅(C1020)と比較して、ダレやバリが低減することで高い寸法精度を実現できます。
従来の無酸素銅(C1020)と比較して、せん断面比率が低いため金型の摩耗を抑制できます。
粗大な介在物が無く、均一なプレス破面形状を有しています。

耐熱性

MOFC-HRの耐熱性を右に示します。
MOFC-HRは熱のかかる製造工程や場所にも使用可能。

耐応力緩和特性

MOFC-HRの耐応力緩和特性(残留応力率)を右に示します。
MOFC-HRは無酸素銅の最も高い導電率と優れた耐応力緩和特性を兼備しているため、高圧端子やばね性が必要な部材に適しています。

疲労特性

MOFC-HRは破断に至るまでの回数が多く、耐振動性が求められる部材に適しています。

曲げ加工性

MOFC-HRの曲げ加工性は以下の表の通りです。
曲げ加工性が良好であることから、高圧端子やバスバーに適しています。

試料:10mm幅 試験方法:90°W曲げ試験 荷重:9.8kN <適用規格:JCBA T307>

質別 サンプリング方向
(圧延方向に)
曲げ内側半径(mm)R R/t
0.0 0.1 0.2 0.25 0.4 0.6 1.0 1.6 2.0 3.0
1/2H
3.0mm厚
0°:Good Way 0.0
90°:Bad Way 0.0
H
1.0mm厚
0°:Good Way 0.0
90°:Bad Way 0.0

材料置き換えによる小型化(軽量化)とコストダウン

MOFC-HRに置き換えることで、高導電性銅合金からの導電率アップや従来の無酸素銅からの強度アップができます。
性能向上により省材料化にもつながり、コストダウンや製品の小型化・軽量化ができます。

お問い合わせ先

銅加工営業部

圧延東京グループ TEL:03-5252-4956
圧延大阪グループ TEL:072-233-9240

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