三菱マテリアル銅加工事業

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自動車コネクタ端子用PICめっき®️の「後めっき」処理体制を構築

三菱マテリアル株式会社は、自動車コネクタ端子の挿入時における摩擦抵抗を低減するPICめっき®(PIC:Precise Interface Control)の「後めっき」処理(※1)体制を構築しました。

自動車の電装化に伴い、電装部品のコネクタの多極化が進むにつれ、コネクタ端子の挿入性が悪化してしまう課題がありました。これに対し当社は、端子挿入時の摩擦抵抗を低減させるため、コネクタのピン端子とソケット端子の接触構造に着目し、独自のめっき技術を応用したPICめっき®を2014年に開発し、現在は各種銅合金にPICめっき®処理を施した条製品(「先めっき」製品)(※2)を販売しています。

近年、「先めっき」製品を利用するコネクタメーカーより、はんだ付けが必要な端子などにもPICめっき®処理が施せるように、プレス加工後(加工面)のめっき処理体制構築の要望が多く寄せられていました。
そこでこのたび当社は、グループ外のめっき加工会社と関連特許の使用許諾や技術ノウハウ提供などに関するライセンス契約を締結し、PICめっき®をプレス加工後の端子材料へ施す「後めっき」(4面めっき(※3))処理を可能としました(図1参照)。

図1:コネクタ製造工程フローにおけるPICめっき®工程の位置づけ(イメージ図)

図1:コネクタ製造工程フローにおけるPICめっき®️工程の位置づけ(イメージ図)

(*1)コネクタ端子の製造工程で、端子のプレス加工前にめっき処理を施すことを「先めっき」、プレス加工より後にめっき処理を施すことを「後めっき」と称する。

(*2)PICめっき®️条の製品情報 URL:https://www.mitsubishi-copper.com/jp/products/plating/pic/

(*3)PICめっき®️処理を施した条をプレス加工すると、加工面(側面)にはめっきがない状態(めっきは表裏の2面)となるのに対し、プレス加工後にめっき処理することで、「4面めっき」と称される側面も含めた全面へのめっきが可能となる。全面へめっき処理されることで、ピン端子と基板の接続部のはんだ付け信頼性が向上する。

PICめっき®️は、コネクタのピン端子やソケット端子の片方に採用するだけでも、端子挿入時の摩擦抵抗を低減します。このたび「後めっき」処理の体制を整備したことにより、「先めっき」条で製造したソケット端子と「後めっき」処理を施したピン端子との組み合わせなど、双方の端子にPICめっき®️を採用することで、さらに優れた摩擦抵抗低減効果を得ることが可能となります(図2参照)。

PICめっき®️の「後めっき」処理は、自動車コネクタの設計自由度の向上や、組立作業負荷の軽減に貢献します。

当社グループは、「人と社会と地球のために、循環をデザインし、持続可能な社会を実現する」ことを「私たちの目指す姿」と定めています。今後も高機能素材・製品供給を通じて、目指す姿の実現に取り組んでまいります。

図2:一般的なリフロー錫めっきとPICめっきの組合せによる動摩擦係数(*4)の比較

図2:一般的なリフロー錫めっきとPICめっきの組合せによる動摩擦係数(*4)の比較

(*4)摩擦力は、接触した物体の一方を移動させる際に、接触面に移動を妨げる方向に発生する。このように物体の移動中に発生する摩擦力を動摩擦力と呼ぶ。動摩擦係数は動摩擦力を接触面に作用する垂直抗力で割った無次元量であり、一般的に小さいほど滑りやすい。

【関連リリース】
2014年10月29日
低摩擦性の自動車コネクタ端子用めっき「PICめっき®️」を開発
URL:https://www.mmc.co.jp/corporate/ja/news/press/2014/14-1029.html

以上

本件に関するお問い合わせ
三菱マテリアル
広報室
TEL:03-5252-5206

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