三菱マテリアルの無酸素銅
純銅(銅含有量99.90%以上)の中でも、特に酸素含有量を10ppm未満に抑え、かつ銅純度99.96%以上を有する材料は、無酸素銅と呼ばれます。
当社は1966年より、無酸素銅の製造を手がけてきました。
長年にわたり培ってきた製造技術と品質管理ノウハウを基盤に、安定した品質と高い信頼性を追求し続けています。
現在では、月産1万トン規模の高品質な無酸素銅を安定的に製造しており、世界各地の電機・電子、自動車、半導体関連分野のお客様に広く採用されています。
MOFC®とは
自動車のEV化や次世代エネルギー技術の普及に伴い、電気機器部材には大電流対応と高い放熱性能がこれまで以上に求められています。
銅材料の中でも、最も高い電気伝導率および熱伝導率を有する無酸素銅は、こうした分野を中心に急速に用途を拡大しています。
こうした市場ニーズを背景に、当社は2021年、無酸素銅のブランドとしてMOFC(Mitsubishi Materials Oxygen Free
Copper)を立ち上げました。
MOFCは、当社が長年培ってきた製造技術と品質保証体制を基盤とした、高品質・高性能な無酸素銅ブランドです。
MOFCシリーズ
MOFC®-HR(高強度・高耐熱無酸素銅)
自動車の電動化や回路の大電流化に伴い、導電材料に求められる性能は年々高度化しています。
特に、銀に次いで高い電気伝導率を持つ銅には、高い導電性に加えて、高強度であることや、ばね性が劣化しないこと、耐熱性といった特性が同時に求められるようになっています。
一方で、これらの特性は一般に電気伝導率と相反する関係にあり、材料設計上の大きな課題とされてきました。
当社が長年にわたり開発を続け、2021年に発表したMOFC-HRは、無酸素銅本来の高い電気伝導率を維持したまま、強度・ばね性・耐熱性を高次元で両立させた画期的な銅材料です。
MOFC®-GC(結晶粒成長抑制無酸素銅)
xEVなどで使用されるパワーモジュールでは、半導体素子から発生する熱を効率的に放散するため、AMB(Active Metal
Brazing)基板などの高信頼性基板が用いられています。これらの基板では、回路層材料として無酸素銅が広く採用されています。
基板製造工程では高温環境にさらされるため、使用される無酸素銅には加熱後も結晶粒が粗大化しにくいことが重要な特性の一つとなります。
当社が長年にわたり開発を進め、2025年に発表したMOFC-GCは、無酸素銅の高い電気伝導率・熱伝導率を維持しつつ、高温環境下においても微細で均一な結晶組織を安定的に保持することを可能にした材料です。
MOFC-GCは、半導体デバイスの安定動作と高信頼性化に貢献します。